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たかがネイルと言うなかれ
彩られた爪が男の背越しにユラユラと揺れる様は なんとも淫靡で妖しく私は喘ぐのも忘れてうっとりしてしまう。f:id:izayoinotuki:20160719222001j:image

空白


逢えない時は忘れていたけど
こんなに切ないキスだったんだ。

私たちの間には 大きな壁が沢山あり過ぎて 
「愛してる」
なんて言えなくて
「大好き 」
でも躊躇う。

手帳にびっしり埋まった予定の中の一つの空白。

君の取り分。と 少し笑って彼が言うからピンクのハートマークを書きたくなる。

「酔ったら会いたくなった」

そんな罪なLINEでも 心の空白は埋まる。



魅せられて

「僕たちは恋人?それとも友達?そろそろ答えを聞かせてよ」

気持ちを弄んでいるつもりはないけど、本当に自分の心がわからない。
今更 貞操が。というのでもない。
一緒にいると楽しいし 彼のキスも嫌じゃない。

抱きしめられて 頭を過るのは
遠い空の向こうにいる あの人のことだ。

楽しく旅行なんかしてないで早く帰ってきてよ。

腰を引き寄せられても
身体と身体の間に薄い壁を作ってしまうのは 
ギュッてしてもらうたびに身体が硬くなるのは

あの人と違う。って思ってしまうから。

綺麗な三日月が上がってる。
帰り道、写真を撮ってあの人に送ろうとしたけど
お月さまがぼんやりぼやけてダメだった。

好きな男の胸の中でも違う男の夢を見るーん んんんー♪

女は海。らしい。
まかり通るほどかっこよく生きたい。

抵抗

些細な事で一喜一憂して
いいオトナな癖して 馬鹿みたいだわ。

それでも彼の役に立ちたいと
あらゆる事柄に彼のことを重ねてしまう。

だから嫌なのだ。
自分の時間を自分の事で埋められない。

ジムの大きな鏡に自分を映す。
女の身体は不思議なものだ。愛でられるほど女らしくなる。

髪。

切ろうかな。うんと短く。



落陽

身内の愚痴を溢すのは

奥様への後ろめたさからなのか

近しい者より 私の方が大切だよと

さりげなく言っておきたいのか

どちらにせよわたしの知らない貴方が其処に居て

黙って微笑むわたしが其処に居て

すぐに姿を隠した夕陽が一番ずるいと本気で思ったんだ。

切なさと愛しさと

新プロジェクトが成功したっぽい。

とても饒舌で機嫌も良い。

上質なスーツを纏い、見慣れぬネクタイ。少し嫉妬する。

そのネクタイを解いて やりなおしたくなる。大人気ないけど

彼のどの部分にも触れることなく
話を聞いて夕陽をみてお茶をして別れた。

切なさと愛しさと心苦しさとで拳で我が胸を叩く。噎せたおかげで少し涙したそんな夜。